・さすがに休みを入れるぐらいしかないので、岡山戦の結果から練習をする時間はない。どれだけ、前節の後半戦の内容をイメージ出来るかどうか。それに尽きる試合になる。こちらは夜にかなり気温が高かった為、寝苦しい夜であったが北九州ではやや寒い気温に雨も降っていた。選手も現地へ遠征したサポーターも風邪をひかない様にね。
-ギラヴァンツ北九州のメンバー- キムドンフィ 柿本健太 小手川宏基 内藤洋平 鈴木修人 新井純平 冨士祐樹 前田和哉 宮本 亨 松本陽介 武田博行 SUB:松本、田中、市川、森村、八角、渡、ナム -東京ヴェルディのメンバー- 常磐 聡 高原直泰 飯尾一慶 西 紀寛 鈴木 惇 中後雅喜 福井諒司 刀根亮輔 金 鐘必 森 勇介 佐藤優也 SUB:菜入、関、石神、小池、竜士、翔哉、南
・お前はリック・フレアーかっ! はい、わかりにくい例えですいません。今回も懸念されてた部分でさっそくピンチ。開始数十秒であっさりと裏を取られて、北九州のFWキム・ドンフィが一対一。後ろから足を滑らせて転んでいた金 鐘必に引っかかって転倒。PKにはならなかったものの、審判によってはPKを取る可能性のあるプレーだった。滑らせたのは事実だが、わざわざ相手側に向かって転倒する意味無いんだしね。やばかったやばかった。リック・フレアーがよくやるプロレス技にしか見えなかったし。
・さて、前節の岡山のプレスとヴェルディのプレスの違いについて触れましたが、今回も試合内容がこんなんなっちゃった原因としては守備にあります。中盤のプレスは来てから追いかけるというのも変わらず。更に今回はボランチのプレス後に空いたバイタルエリアが問題でした。ここを内藤、古手川、鈴木らが自由に侵入出来たこと。これでCBがプレスせねばならず、相手FWを見るのがサイドバックになってしまったりとごちゃごちゃ。これだけ守備に不安だと言ってる中で「マークの受け渡し」なんて出来るはずもなく。前半は岡山戦の様な展開になってました。
・さりげなく、北九州の解説の方がおっしゃってましたが、金 鐘必はボランチで使って欲しいと言ってました。彼の持ち味は「中盤でガツガツ行ける攻撃的な守備」と言ってました。ふーん、なるほど。ここ最近の守備の軽さはそういう事か。FWとDFが一対一になった際には、着かず離れずの距離を保つ事が大事。ここでガツン!と行くからいかんのか。確かにこの試合でも後ろに誰もいないのに、足出して取りに行きましたからね。
・中後が潰されたシーンでのカウンター、ここで中盤の新井が裏へ浮かせたパス。右サイドの内藤の折り返しにフリーのキム・ドンフィが流し込んでゴールイン。いやー、ここでも守備の決まり事が分かんなくなっちゃいました。キム・ドンフィに至っては飯尾、森の側を迂回して飛び込んでます。森が行かなきゃいけませんでしたね。刀根は古手川を見てたので難しいし。更に裏へ飛び出した選手には西が対応せねばいけなかった。これはゴールしたので何度も見直しましたが、ゴールになってないシーンでもこんな感じは何度もありました。この守備をなんとかしないと攻撃にも繋げられないのですよ。
・すでにJ2全チームが持ってるであろう「vs ヴェルディ攻略本」。今回の北九州でもプレスの激しさはありました。ところが、北九州は先制点だけで喜んじゃったみたいです。前半の残り時間はずっとヴェルディペース。プレスが来なくなるという展開は想像しませんでしたよ。ここから、今季のヴェルディのやりたいサッカー「縦に早く」が見られました。特に左サイドの福井からというカタチでしたが、常磐の切り返しシュートとか西も同じシュート打ちましたね。やっぱ、攻撃に関してはポテンシャルの高い選手が多いのでなんとかなっちゃうのですが、この攻撃の跳ね返りを中盤で奪えないので波状攻撃が出来ないんですよ。なので、やっぱり守備なんですよねー。
・結局、この左サイド攻撃から先制点。福井のクロスから先ほどと同じく常磐が切り返してシュート。このこぼれに反応したのが高原。右足アウトサイドキックでシュート。右下に蹴り込んで1-1の同点。よーやっと初ゴールですよ・・・って、これは数字で見ると「4試合で1得点」と低評価になっちゃうけど、ペナルティエリアの中でシュートを放つという事だけで言うと「シュート1本で1得点」になるんだよね。もっとシュート撃って欲しいんだけど、この試合ではゲームメイクっぽい事ばかりしてて真ん中に居ない事もザラにあった。更にこのゴールの前に左サイドへパスしたのも高原だったり。
・結果的にはこれが最大の決定的なチャンスでしたね。左サイドの福井からのクロスにファーサイドで常磐がヘッドもGK武田がスーパーセーブ。まぁ、正面ではあったけれどもなかなかに強烈なヘッドでした。今季のヴェルディのサッカーが今までと違う部分もここですよね。PA内に1人しか居なくてもクロスを放れるチャンスならあげてしまうこと。かつては1人しかいないならあげないで繋ぐチームでしたからね。どっちがいいかは別としても、こうと決めたらもっと人数かけて飛び込みたいもんです。
・後半はヴェルディのシュート数が伸びましたが、北九州も途中からプレス復活してきましたね。やっぱ、中盤の運動量で負け始めてくるとヴェルディの流れは悪くなりますね。高原が角度の無い所から狙ったり、ロスタイムには右サイドバックの松本がクロスバーに当てたりもありました。うーん、難しいですが、またも引き分けで勝ち点3を得る事は出来ませんでした。
ギラヴァンツ北九州 1-1 東京ヴェルディ
得点者:キム・ドンフィ / 高原直泰
MOM:MF内藤洋平(彼が常にフリーであったのだよ)
MOM:MF新井純平(アシストのアシストのパスが良かった)
MOM:FW高原直泰(2度目)
MVP:FW常磐 聡(初選出)
MVP:DF福井諒司(初選出/通算2度目)
・ほかには柿本、富士あたりも目立ってました。ヴェルディでは初ゴールおめでとって事で高原、北九州で元気なところをみせたかったのか常磐が結構動いてましたね。あのヘッドで決めてたら。福井は一番クロスあげまくってましたね。森に注意が行きやすいので逆はフリーになりやすかった。
・さて、やっぱり問題はヴェルディの守備ですね。守備ってーとCBになるワケだが、刀根も金 鐘必もCBが本職ではないけれど、相手FWへのボールに対して迫力不足感は否めない。球際や人に対する強さも歴代のCBがガツン!と行ってましたからね。ただ、それにしても、相手FWへのボールが届きやすい。バイタルでもフリーになってる選手が多過ぎる。そうなると、問題は中後と鈴木なのだろうか。リプレイで見てみると、バイタルをフリーにしてる時はどちらかが居ない事が多い。サイドへの守備に回っているからだ。うん、突き詰めていくとやっぱり選手全員で行くプレスを相手が「いなす」事で、常にどこかで一対一を負けてる事が多い。トラップで抜かれ、ドリブルで抜かれ、ダイレクトでかわされ・・・。さぁ、次の試合の注目すべき点は、どこでボールを奪いに行くかってとこですかね。前から奪いたいのはやまやまだけど、もうちょいプレスゾーンを下げざるを得ないかなぁと思います。