・前回はダブルを貰ってしまった熊本が相手。考えてみると、昨シーズンに堀監督も年をまたいで15試合で1敗という好成績を収めていた。そんな中で訪れたホームでの熊本戦。ここで負けてから今度は急降下してしまった。まさかの13試合で1勝という成績。そして、城福監督に交代となった。なので、ホーム熊本戦っていうのは本当に大事な一戦でした。あの頃は無用な失点が多かったんですよね。特に残り10分の慌てふためきっぷりは凄かった。1点じゃ不安なぐらいに最後の最後で追いつかれたもんだ。それに比べると今は残り10分で1点差でも充分に守り切れるもんね。
-東京ヴェルディのメンバー- 阪野豊史 梶川諒太 (加藤 蓮) 河村慶人(綱島悠斗) (Mエンゲルス) 森田晃樹 北島祐二 (山田剛綺) 林 尚輝 (バイロン) 深澤大輝 平 智広 山越康平 宮原和也 マテウス監督:城福 浩SUB:飯田雅浩、楠 大樹 -ロアッソ熊本メンバー- 石川大地 松岡瑠夢 (大崎 舜) 島村拓弥(東山達稀) (粟飯原尚平) 平川 怜 竹本雄飛 上村周平 三島頌平 (藤田一途) 相澤佑哉 江崎巧朗 黒木晃平 (阿部海斗) 田代琉我監督:大木 武SUB:佐藤優也、田辺圭佑
・超攻撃的サイドバック「深澤大輝」・・・って言いたい所ですが、左ウィングが正式なポジションの様に見えている梶川のパフォーマンスによるところも大きいですね。今のヴェルディはわざわざ「可変」にしている訳では無く、流れの中でそういうポジションを取ってるだけかもしれん。守りの時は4-4-2、攻撃時に3-4-2-1。その中間の可変式に移動している際に4-3-3なのかもね。サイドを広く取りたいのでまず梶川にサイドを深くポジションを取ってもらう。その後で深澤が徐々にオーバーラップ。すると、梶川が真ん中を通りながら下がってきてトップ下気味に位置すると。うん、深澤のオーバーラップの為にスペースを開けてあげてる感覚。これで深澤が2度も決定機。梶川の縦パスをPA内の林へ。林もかわしながらシュート。GK田代のセーブにあうもこぼれを深澤。これも入ってもいい決定機。その後、北島のクロスのこぼれを深澤が決めるんだけど、北島のクロスをあげるシーンで後ろで見切れてるのも深澤なんだよね。止まらずに走り続けてのゴールインでした。
・さて、熊本なんですが、特異なフォメなんですよね。3-3-1-3。毎回、よくやるなって気がしておりますが、大木監督のこだわりなんでしょーね。ただ、両サイド気味に配置されている竹本と三島はサイドバック気味になるので5バックにもなると。ただ、本職はどちらもボランチなんですよね。なので、偽サイドバック的なプレイも出来ると。最近はよく見るんですよ、ジンチェンコのおかげで。ただ、偽サイドバック的な仕事はほとんど出来て無かったかな。攻撃のほとんどが右サイドからのクロスでしたね。ただ、左サイドの松岡はもっとうまく使ってあげたかったかな。結果的には抑えたって事で宮原の勝ちなんですけど、かなり手を焼いた印象でした。後ろからカカト削ってるシーンとか、ユニ引っ張ってるシーンも多かった。今まで宮原はあんまりラフプレーの印象無かったから、結構前を取られるシーン多かった。シュートも2度。まぁ、そのシュートも宮原がブロックしてるんで、最後の一線はやらせなかった。
・熊本にしてみたら、ここで同点にしてからの勝負ってとこでしたか。ターニングポイントでしたね。右のハーフスペースを2度崩した熊本。最初は粟飯原からのマイナスパスを上村のシュート。ここはシュートブロックが林なんだけど、他に何人飛び込んだろうか。その他には黒木からのマイナスパスに飛び込んだ選手の前でマテウスがセーブ。ここもマテウスが後ろ逸らしてたら危なかった。この危ない時間帯で守り切ったのが良かった。それでも、熊本のクロス数もだいぶあったんだけども、前線の枚数は少ないし170cm代の上背でクロス攻勢なのよね。何とかアーリークロスであげるんだけども、そのほとんどが平の回収で終わり。平も山越も空中戦は強い方。それを上回るフィジカルとかパワーでエアバトルを仕掛けてくる訳じゃないなら、まぁこの攻め方では勿体なかったかな。
・そして、そういう場面でのクロスの上げ方のお手本と言えるね。それがバスケス・バイロン。こないだのクロスもそうだけど、「巻いて」「曲げて」「落とす」っていうクロスは合わせる方も難しくないのかね。平も結構当てる事に神経を使ってそうなヘッドだった。叩き付けるとか、首を振るとか、じゃなくて当てるだけにしてる感じ。そして、更にCKからファーサイドにこぼれたボールをCB平がアウトサイドキックボレー。あのままだったら枠から外れそうなコースでした。シュート性のこのボールを合わせたのが山越。まさかのCBからCBへ。シュートに誰かがぶつかっただけかと思ったけど、ちゃんと首振ってるんですよ。今までの無失点もCBの貢献でしたが、今度は試合まで決めちゃいましたよ。
東京ヴェルディ 3-0 ロアッソ熊本
得点者:深澤、平、山越
MOM:DF深澤大輝(初選出/通算4度目)・・・2度の決定機
MOM:DF平 智広(2度目/通算16度目)・・・1G1Aの大活躍
MOM:DF山越康平(初選出/通算3度目)・・・点取ってそうな気してたけど
MOM:FWバイロン(2度目/通算3度目)・・・クロスの精度は一級品
MVP:FW松岡瑠夢(足を振るシーンが2度)
MVP:MF平川 怜(トップ下だけど右サイドで躍動)
・熊本の方にも決定機はありましたが、あくまでも足を振るチャンスぐらいのものでした。GKと一対一ほどの決定機は無かったですし、シュートブロックに入る、コースを限定するなどの確率を減らす守備は出来てました。むしろ、もっと「何が起こるか分からないボール」的なものも少なかったかなと。そう考えると、そういうボールをがんがん入れてきた大分戦だけ負けましたね。今後もそういう相手が出てくるかもしれないので、先制点は取れる時にとっておきましょうって感じですかね。開幕から5試合で他のチームは意外と完成してないもんですね。これからは徐々にチームとしてのまとまりを感じる相手は出て来そうです。
・この方が世界基準のCBルベン・ディアスです。そら、全員この人って訳にもいかないからね。そして、CB陣はここからまたしても無失点。昨年のまぐVPが「ンドカ」選手だったんですが、今年もCBのMVPありますよ。理由は現代サッカーにおいてCBのタスクは非常に増えてます。最終ラインでビルドアップしないといけないし、縦パスでびしっとCFまで通さないといけないし、逆サイドへのロングボールもあげないといけない。DMFが最終ラインに入ったり、CBがインナーラップする時代も来てますよ。守備だけやっていればいい時代じゃないんですよ。でも、そこであえてタスクを減らして「CB」の仕事を限定したってのが大きい。サイドで拾ったボールはいとも簡単にタッチラインで切っていい。クロスボールに対して残さずにCKでいい。体を捻らずに来たボールを来た方向に返すなども分りやすい。CBの視線を遮る様な邪魔になる選手が走り込んでも、そこには誰かがマークしているので着いて行かなくていい。平や山越がCBの仕事に専念出来る。来たボールを弾き返す事に集中出来る。だからこそ、どんなにクロスをあげられても微動だにしない。来るなら来いとばかりに。いやー、頼もしいですねー。