・仰々しく総括ってのをやりたかった訳じゃないんだけど、甲府遠征の時に暇だったのでノートに書いてたら2ページまるまる字で埋まるぐらい言いたいことだらけだった。この手の総括は雑誌記者さんの方が詳しいでしょう。それでも、何か振り上げた拳を降ろす的な、自分自身でシーズンは終わったんだと区切りを付けたかった。のちのち、自分で読み直した際にそんなシーズンだったのかと分かればそれでいいし。アーセナル総括「その1」と書いてある理由は4回に渡って書く予定だからです。四部作ですな。「アーセナルの方向性について」「ウナイ・エメリについて」「選手について(ポジション別)」「エジルについて」をお送りします。ではでは、最初は方向性について。
・まずは結果だが、最低限の結果であった「CL出場権」を得る事が出来なかった。しかし、シーズンの途中経過を観れば、このシーズンが一言で「失敗」とは言えないものであることはわかるはずだ。まず、今回の総括のお題が「方向性」とつけた意味。その理由が今シーズンの総括そのものと言ってもいいからだ。ウナイ・エメリにとって、この「方向性」が定まらなかった事で右往左往してしまった。これが結果として4位以内、EL準優勝などすべてに繋がってしまったと考える。その方向性とは「お家騒動」と言いますか、「内部分裂」と言いますか。今まで20年以上もヴェンゲルがすべてを統括していた事を改めようと挑んだシーズン。権力を分散したら、内部分裂するなんてお粗末な展開だこと。
・ビフォーアフターでこんなにやつれたみたいに見えますね。画像に悪意があるな。ヴェンゲル時代に強化担当は元ドルトムントの「スヴェン・ミスリンタート氏」でやっていくと決めていた。その為、アーセナルには元ドルトムントコネクションが多数移籍してきている。この手腕は間違いなくミスリンタート氏のものであろう。オーバメヤン、ムヒタリアン、ソクラティスなど。国籍を問わず、無名の選手達をスカウティングする能力は素晴らしい。香川もそうなのか。これこそアーセナルにふさわしい逸材だった。まぁ、アーセナルでは元ドルトの選手ばかり獲得してきていたが、これから無名の若手を続々と連れてきて来る予定だった。しかし、突然のシーズン途中でミスリンタート氏が退団した。ここからすべての歯車が噛み合わなくなった。原因はクラブとの軋轢と言われているが、CEOのサンジェイ氏なのか、監督のエメリとなのかは分からず。予算が少ない面に関しては問題はないはず。この後にデニス・スアレスをレンタルで獲ったという事を踏まえると、バルサ経由のサンジェイ氏との軋轢と想像するのに難くない。
・ただ、この後に沸き立ったのがこのモンチ氏の就任という話。セビージャ時代にエメリ監督ともタッグを組んだと言われてしまい、先ほど言った「クラブとの軋轢」という話が急にエメリに矛先が変わる。ここからとんとん拍子に話が進む。ローマの強化担当だったモンチ氏が謎の退団。これでアーセナルに来るという話が真実味を帯びる。さらにエジルを売却した費用、浮いた年俸分を考えれば100億以上の予算が使える。これでモンチ氏に強化を頼みたいという話が出てきた。ここで苦しいチーム状況の中で起きた「エジル外し」という不思議な現象が起きる。負傷していた、コンディション不足、戦術に合わない、僕は練習に参加していますなどなど、情報も錯綜。これだけ、世間をにぎわせておいてモンチ氏のとった行動はセビージャ復帰だった。アーセナルは強化担当者無しという異例の状況となってしまった。
・これだけの事態で方向性が決まらず、ましてやケガ人は続出、冬の補強はデニス・スアレスのみ。んで、てんで使えやしない。試合に関しても、結果的にエジルを起用しないといけなくなるし、強行出場が相次ぎ、コンディションを崩したまんま。おそらくは練習もまともに出来やしない中で、ぶっつけ本番で挑み終盤の連敗になってしまったのかと。セットプレイが課題なのも分っていながらに、何も対策を取れない状況であった。まるで対戦相手の対策をまったくしてないのでないかという試合も多かった。つまり、来シーズンにおける問題点はこの「お家騒動」「内部分裂」を速やかに解決しなければいけない。現在、一番可能性の高い案が元アーセナルの「エドゥ」氏が就任するという話が出ている。さらにコーチに「フレドリク・リュングベリ」氏が就任。これだけでは何も分からないものの、「育成路線」という匂いもほのかにしてくる。つまりは補強は無い。現有戦力でやってみろと。色々と政治力を発揮してあれこれやってみるより、腹がくくれてよいシーズンになるかもしれない。
あ、残りの3つはまた来週ね。
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まぐ【アーセナル18-19総括】その1「アーセナルの方向性について」
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